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音名 [雑談]





今日は雑談です。小中学校の音楽では音名と階名を習いました。音名は日本語の音名でハニホヘトイロで、階名はドレミファソラシドです。日本の学校教育では移動ドによる階名唱を行います。授業で習う程度の唱歌なら移動ドでも問題ありませんが、器楽の場合は固定ドの方が圧倒的に有利です。人によっては聴こえる音が移動ドのドレミと認識してしまうという人がいて、楽譜の記譜との対応に苦労するようです。
私の場合は階名唱をやらされる前に固定ドの認識が出来ていたので、中学の音楽の授業で移動ド読みする場合に頭の中で読み替えをしていました。これは後々にホルンを吹く場合にinE inDなどの移調譜を読むことに役立っているように思います。
音名は絶対的音程を表し、階名は相対的な音程を表すものだそうです。ですがドレミはイタリア語の音名ですから、単に階名として利用しているだけです。

さて管楽器などは移調楽器が多く、トランベットやクラリネットはB♭管がメインだったり、アルトサックスならE♭管、ホルンはF管というようにその楽器の出すドの音は変ロであったり、変ホであったりします。さらには同じ楽器でも調性の違う楽器を持ち替えて使うこともあります。管楽器奏者の多くは今自分が使っている楽器の調性を基準とする固定ドで音を理解している人が多いです。といいますかドレミと運指が対応していることで違う調整の楽器でも演奏で困らないのです。ですが絶対音感を持っていたりするとドは絶対音程のことなのでドの指使いで出す音が実音のドの音ではないことで移調楽器を演奏するのは苦労するようです。

それで何が言いたいのかですが、オーケストラのように様々な移調楽器の集団では音名とドレミの使い分けが便利なのです。例えば「のだめカンタービレ」で有名になったベートーヴェンの交響曲第7番の第一楽章の第一主題をホルンはヴァイオリンと一緒に同じ旋律を演奏します。当時はヴァルブのないナチュラルホルンを使っていましたので、ホルンについてはイ長調の長さの楽器を使えという意味で、譜面はinAで書かれています。この旋律をピアノやヴァイオンリンのようにinCの楽器ではシャープ3つのイ長調で書かれており、それを固定ドで読めばミーレド(#)レーシです。移動ドではイ長調のソーファミファーレになります。ホルンの譜面はinAなので記譜上も調号なしのソーファミファーレと書かれています。でも私の頭の中ではホルンのドはヘ音(F)なのでこれを読み替えてシーラソ(#)ラーファ(#)と認識して演奏しています。それでこの最初の音を人に伝える時にinAのソはホルンのシの音で実音ではEという変換をして「実音のEの音」と説明します。

ようやく本題です。
オーケストラあるいは吹奏楽などでは音程を説明する時に実音の音名を使うのが一番確実です。日本のガクタイでは音名としてハニホは使わずにドイツ音名を使う習慣がありまして、私はそれが身に染みついています。ドイツ音名と英語音名は表記や発音が微妙に異なります。ハニホヘトイロに該当する英語音名はCDEFGABで発音は英語のアルファベットそのものです。ドイツ音名ではCDEFGAHでロ音の音名の表記が英語音名と異なります。発もカタカナで書くと、ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハーなので、英語のAとドイツ語のEが紛らわしく、また英語表記でのB♭(ビーフラット)はドイツ音名のB(ベー)になります。それでドイツ語も知らない中学生がB♭管をベー管と呼んでいたりします。ちなみにドイツ音名では#、♭はis esを付けるというルールがあります。C#はCis(チス)となります。何故かHesはBなんですね。また長調、短調は英語ではmajor,minorですがドイツ語ではdur(ドゥア)、moll(モル)です。なので私は習慣的にニ長調であればD-dur(デードゥア)が先に思い浮かびます。それでこのコードはエーモルだと言ってしまいがちなのですが、それは英語のコードネームではEm(イーマイナー)なんですね。

ギターを演奏する人でドイツ音名を使う人をあまりみかけません。それで英語音名を使おうとするのですが、若干混乱するというお話でした。なお私はクラシックしかやってこなかったのでギターのコード表記には不慣れです。でも基本的な和音はコードネームで呼んだ方がギタリストには分かり易いかもと思って普段使わないコードネームをこのブログでは書いたりしています。



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コメント 2

匿名希望

興味深い記事をありがとうございます。
1点だけ事実誤認が気になったため、コメントさせていただきます。

>ですがドレミはイタリア語の音名ですから、単に階名として利用しているだけです。

いいえ、歴史的事実は逆です。
ドレミはもともと階名で、イタリア音名の方がそれを常に「C majorの位置のまま」読むようになったものです。
よろしければ、音楽事典の「ソルミゼーション」などの項目をご参照ください。
by 匿名希望 (2016-03-16 14:25) 

yada103

コメント頂いていたことに気付かず失礼しました。
ご指摘ありがとうございます。
by yada103 (2016-04-25 11:26) 

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