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ベニカシムの想い出 [ギター曲]





フランシス・クレンジャンス(Francis Kleynjans)は1951年パリ生まれのギタリスト、作曲家で数多くの曲を書いています。クレンジャンスは「最後の日の夜明けに(L’Aube Du Dernier Jour)」Op.33で1980年のバリ国際ギターコンクールの作曲部門で1位を受賞しています。この曲は死刑囚が処刑されるまでを描写した緊張感溢れる意欲作ですが、クレンジャンスの曲の多くは心地よい癒し系の曲調のものが多いと思います。

クレンジャンスはミラノ風ワルツ(La Milanaise)Op.143という曲を稲垣稔さんに献呈しています。稲垣さんはこの曲をCD「SONGS」に収録しており、日本では親しまれている曲だと思います。このLa MilanaiseはHenry Lemoineから3曲セットで出版されており、他の曲はOmbre Op.94-2とSouvenir de Benicasim Op.142です。La Milanaiseはもちろん良い曲なのですが、OmbreとSouvenir de Benicasimも素晴らしい作品です。Ombreは暗いから明るいのグラデーションの意味で強弱の変化による陰影が印象的です。Souvenir de Benicasimは「ベニカシムの想い出」というトレモロの大変美しい曲です。私はSouvenir de Benicasimを発表会で先生が演奏するのを聴いて感動して、楽譜を買い求めました。
La Milanaiseは稲垣さんのCDで聴くことができますし、Ombreはクレンジャンス自身の演奏するCDに含まれています。ですがSouvenir de Benicasimの音源は見当たらず、youtubeでも演奏している人はいないようです。とても美しいトレモロ曲なのでもっと演奏されて良いと思いますし、是非プロ奏者にCDに入れて欲しい曲です。私もSouvenir de Benicasimを練習して何度か人前でも演奏してみたのですが、左手の押えが難しい箇所があり、まだ満足できる演奏は出来ていません。

なおSouvenir de Benicasimの楽譜にはベニカシムで開催されるタレガ国際ギターコンクールを主催する「Domingo Tarregaへ」と書かれており、アルハンブラの想い出のオマージュとして書かれたものだと思われます。



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