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音楽表現と音楽理論 [演奏法]





良い演奏に対してなにげに音楽的という言葉を使いますが、音楽的な演奏とそうでない演奏の違いは何でしょうか。非音楽的な典型は良く耳にする電子音です。例えば歩行者信号が青の時に流れるメロディなどです。機械的に出された音は音程もリズムも寸分の狂いもなく正確ですが、心地よい音楽とは全く感じられません。それは抑揚が全くないからです。それは言葉でも同じです。自動音声の発音はイントネーションもアクセントも区切りも不自然で聞き取り難いですね。アナウンサーが原稿を読むときは流暢で聞き取りやすい言葉を話します。ですがテレビトラマなどにアナウンサーが役者として出演してセリフを話したりすると周りの役者に比べてとても不自然になる場合が多いですね。役者にしてもテレビドラマと舞台演劇ではセリフの抑揚が大きく異なります。クラシック音楽の演奏では大きなホールで生音で演奏することが多いですから、舞台役者位の抑揚、表情が求められます。ですがギターの場合は小さな空間で演奏することも多いですから、俳優が物語を朗読するような大げさではないけれど感情の起伏や情景が目に浮かぶような語りの方が近いでしょうか。
言葉に抑揚をつけることと、音楽に抑揚をつけることは近い関係にあります。言葉であれば文章の中で重要な単語を強調する、あるいは単語そのものにもアクセントやイントネーションの抑揚があります。文章であれば言葉の意味から何が大切かを理解できますが、音楽の場合は楽譜に書かれた音の並びから判断しなければなりません。よく小さな子供が「わたしの名前は山田太郎です。」と話す時に最後の「です」をやたらに強調することがあります。本来であれば「山田太郎」が強調されるのが自然です。状況によりさらには「山田」の方が「太郎」より強調されたり、その逆もあるかもしれません。
音楽の場合も「です」を強調してしまう不自然な演奏をしてしまうことが有り得ます。楽譜の景色から多くの人が良いと感じる抑揚を見つけることが音楽的な演奏に繋がります。ある程度の演奏経験を積んで行くと楽曲というのはだいたい同じようなパターンで出来ていることが分かってきます。単純には一つのフレーズは起承転結の構造になっていることが多いです。そうなると強調すべきは転の部分になります。ですが正しく転の箇所を見つける、あるいは最も重要な音を見つける、最重要な音だけでなく個々の音の微妙な抑揚を知るには和声などの音楽理論は必要になってきます。
それは例えばドミナントからトニカの解決を見つけることであったり、緊張度の高い不協和音や、倚音などの非和声音を知ることだったりします。全ては説明できませんか、つづきは少しずつ次回以降に。



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